日本イコモス国内委員会ホームページ

日本イコモス第5小委員会

− プロヴディフ旧市街保存事業協力班 −

Plovdiv City in Bulgaria
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西南上空から見た保存地区全景 東南上空から見た保存地区北半部
西南上空から見た保存地区全景 東南上空から見た保存地区北半部

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国際協力プロジェクトの概要 (英文PDFファイル:64KB)

公開ワークショップ (2005年8月2‐3日、プロヴディフ) にて講演
Presented at the Open Workshop in Plovdiv, 2-3 August 2005

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詳細地図

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旧バヤトーヴァ邸(右)と旧バカローヴァ邸(左) 旧バヤトーヴァ邸(左)と旧バカローヴァ邸(右)
旧バヤトーヴァ邸(右)と旧バカローヴァ邸(左) 旧バヤトーヴァ邸(左)と旧バカローヴァ邸(右)
   
旧ゲオルギアディー邸(現在:民族復興時代博物館) 旧クリアンティー邸(現存最古の重要木造家屋)
旧ゲオルギアディー邸(現在:民族復興時代博物館) 旧クリアンティー邸(現存最古の重要木造家屋)

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旧ネドゥコヴィッチ邸(一般公開) 旧ヒンドゥリアン邸(一般公開)
旧ネドゥコヴィッチ邸(一般公開) 旧ヒンドゥリアン邸(一般公開)
   
旧ニハンジャーン邸(現在:市有ゲストハウス) 旧スタンボリヤン邸(現在:美術家協会本部)
旧ニハンジャーン邸(現在:市有ゲストハウス) 旧スタンボリヤン邸(現在:美術家協会本部)

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■現況と2006年次活動方針

日本イコモス年次総会 (2005年12月23日開催) にて報告

日本ブルガリア両国イコモス国内委員会の共同企画に基づく「プロヴディフ旧市街保存地区内建造物修復事業」(Ancient Plovdiv Conservation Project)は、「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」(UNESCO/Japan Trust Fund)から総額999,738米ドルの供与を保証され、2003年10月以降、実施段階に入った。事業期間は当初、3年間の予定であったが、ユネスコの機構改革に伴い04年5月から05年1月まで予想外の事業停滞(送金遅延)が生じた結果、現在、相応の期間延長を検討中である。第5小委員会(設置:2001年9月、現委員:石井 昭・金原保夫・麓 和善・前野まさる・矢野和之)は理事会との緊密な連携を保ちつつ、引き続き当事業に関わる諸般の実務を担当する。

[現況報告]

2005年中に事業はかなり進展した。

  1. 設計監理者と施工業者の選定(加えて予算配分の管理)を任務とする審査委員会(Selection Jury、座長:石井)が年初に発足した。委員は文化省、国立文化財研究所、プロヴディフ市、ユネスコ、両国イコモス、等の各代表で全13名。
  2. この委員会は、事業者たるプロヴディフ市による公募の結果を待って3月中旬、設計監理チーム(主任建築家+構造専門家+修復美術家で構成)計5班を、既定の2段階方式(書類選考、後日、面接と入札)によって選定した。 各チームは(1) Bayatova House 他1棟、(2) Klianty House, (3) Georgiady House, (4) Hindlian House 他2棟、(5) Nedkovich Houseをそれぞれ担当し、調査・記録・設計・仮積算・等々の作業を直ちに開始した。
  3. 作業の進捗状況に即し、上記委員会は前述と同様の手順を踏んで、6月初旬、工期予定1年間の(3)(4)(5)について、また10月初旬、工期予定3年間の(1)(2)について、それぞれ施工業者を選定した。残念ながら工事費の免税措置(VAT: 20%)が難渋しているため、現在、これらの業者は市の臨時融資を得て、積雪前に終えるべき工事を優先的に実施中である。
  4. 一方、ICOMOS Joint WG の活動としては、上記委員会の会期(3月、6月、10月)に合せて、計3回の現地会議を開いたほか、8月2・3両日、”Architectural Preservation Practice in Bulgaria and Japan”と題する公開のWorkshopを催した。その模様については麓委員がINFORMATION 誌No.7に報告を寄せているので参照いただきたい。
[世界遺産]

旧市街保存地区(面積約35 ha、人口約1490人、保護建造物191棟)を世界遺産の一つにするための準備や施策も進んでいる。

  1. Joint WG の主査T. Krestev 教授の指導のもとでプロヴディフ市が作成した「推薦書」は05年1月末にユネスコへ提出された。9月29日-10月1日にはイコモス(本部)からの「評価ミッション」としてM. Zeev 氏が現地を視察し、前述の審査委員会に属する専門家たちと面談した。評価はおおむね肯定的であったので、次回世界遺産委員会でおそらく「登録」が実現するであろう。
  2. 登録実現後に予想される来訪者の急増にそなえ、Joint WG を中核とする Task Force が05年3月−8月の6ヶ月間を費やして “Ancient Plovdiv Reserve Enhancement Project” を立案した。内容はInformation Center 2棟の建設、Georgiady House(現況:博物館)の設備充実、等を含み、実現には多額の資金を要するので、日本政府による「文化無償援助」を期待し申請書を提出ずみである。もちろん採否のほどはまだ分からない。
[活動方針]

2006年次の主なスケジュールは次の通り。

  1. Joint WG の第1回現地会議を、3月下旬−4月上旬のうち、約1週間にわたって開催する。最大の課題は、進捗中の修復工事を個別的に詳しく点検し、必要に応じて設計監理者あるいは施工業者と協議することである。また、事業終了後に刊行すべき報告書(Final Report)の編集方針・執筆分担などについて大筋を審議し合意しておくことも、この回の重要課題の一つである。目下のところ、第5小委からは麓・石井の両名が出席する予定である。
  2. 当事業の一環として決定されている外国人専門家招聘プログラム(Foreign Expert Invitation Program)を、上記と同じ時期に、2ないし3週間の日程で実施する。被招聘者の任務は Joint WG とプロヴディフ市に対する助言で、帰国時にはリポート提出が求められる。人選を含め、実施要綱は現在、審議中である。
  3. 6月末から9月初頭までの9週間にわたり、3週間をもって1期とする実務研修コース(Professional Training Course)を計3回、旧市街保存地区内で開く。対象は建築系・美術系の学生および若手専門家。指導に当たるのは主として設計監理チームと施工業者。主催者はプロヴディフ旧市街管理事務所で、Joint WG が運営の全般に協力する。参加者の募集方法、選考方法、処遇方法、等については第1回現地会議の折にプロヴディフ市と協議の上で決定しなければならない。
  4. おそらく10月中旬に、Joint WG の第2回現地会議を開催する。その頃には工期の短い5棟の家屋はすでに修復が終わり、他方、困難ながら甚だ興味深いBayatova + Bakalova とKliantyの修復工事が佳境に入っていることであろう。

(主査:石井  昭[ 東京都立大学名誉教授 ] )

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日本イコモス拡大理事会 (2006年9月16日開催) にて報告

[近況]

UNESCO/Japan Trust Fund によるAncient Plovdiv Conservation Project は開始直後の一昨年(2004年)、ユネスコの機構改革に伴って10ヶ月以上に及ぶ遅延を生じたが、昨年(05年)2月以降、ほぼ順調に進展して今日に至った。5棟の家屋はすでに修復が終わり、残る3棟(Bayatova, Bakalova, Klianty)では明年(07年)末の完成をめざして修復作業が続いている。 ICOMOS Joint Working Group の06年次活動を略記すれば次の通り。

  1. 第1回現地会議(3月29日〜4月4日)。第5小委から麓・石井の両名が出席した。
  2. 若手専門家と学生を対象とする実務研修(6月26日〜9月1日)。ブルガリア側の委員諸氏が交替で指導に当たり、最後の1週間、第5小委から麓委員が参加した。
  3. 文化無償援助の再申請(8月24日)。Ancient Plovdiv Reserve Enhancement Project に対する日本政府の無償援助を期待して、在ブルガリア日本大使館の助言に従い、新たな申請書を作成・提出した。
  4. 次回現地会議(11月13日〜17日)。現在、議案書を準備中。第5小委から前野・石井の両名が出席する予定。

(主査:石井 昭)

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■2007年次活動方針

日本イコモス年次総会 (2006年12月09日) 提出

日本ブルガリア両国イコモス国内委員会の共同企画に基づく「プロヴディフ旧市街保存地区内建造物修復事業」(略称:Ancient Plovdiv Conservation Project)は、「ユネスコ文化遺産保存日本信託基金」(UNESCO/Japan Trust Fund)から総額999,738米ドルの供与を保証され、2003年10月以降、実施段階に入った。事業期間は当初、3年間の予定であったが、開始直後にユネスコの機構改革が災いして予想外の大幅遅延が生じたため、過日、ユネスコ(ヴェニス支所)と日本政府(外務省)の協議により相応の期間延長が了承された。順調に進めば、2007年12月末までに現場作業を終え、08年3月末までに最終報告書を刊行することになろう。第5小委員会(設置:2001年9月、委員:石井 昭・金原保夫・麓 和善・前野まさる・矢野和之)は理事会との緊密な連携を保ちつつ、最終報告書の完成まで引き続き当事業に関わる諸般の実務を担当する。

[活動方針]

2007年次の主なスケジュールは次の通り。

  1. ICOMOS Joint Working Group とプロヴディフ市との合同現地会議を、3月下旬ないし4月上旬の約1週間にわたって開催する。重要課題の第1は、老朽化が予想以上に甚だしいため修復工事が難渋している2件(計3棟)の家屋、Bayatova-Bakalova EnsembleとKlianty Houseについて、設計監理者および施工業者を交えて実情を再点検すると共に修復方針を確定し、追加工事に対して適切な予算を配分することである。2005年中に実施した10種類の競争入札から生じた余剰金を支出するが、おそらく市当局にも追加支出を求める必要があろう。第2の重要課題は、最終報告書(正本:英語版)の編集方針・執筆分担などについて詳しく審議し合意事項を文書化することである。すでに原稿(図面・写真等を含む)の準備が部分的に進んでいるが、未解決の問題が極めて多い。今のところ、この現地会議には第5小委から麓・石井の両名が出席する予定である。
  2. 当事業の一環として決定されている外国人専門家招聘プログラム(Foreign Expert Invitation Program)を、上記現地会議の直後に1週間程度の日程で実施する。ICOMOS Joint WG やプロヴディフ市関係者の間には、前回(06年6月)の経験から見て、準備に費やす労力・時間・予算が無駄である、成果は乏しい、との否定的意見が強い。しかしユネスコ文書に明記されたプログラム(主な目的は査察と助言)を一方的に中止するのは適当でないので、ICOMOS Joint WG の共同議長(Staneva・石井の両名)が人選を含めて効果的な対案を鋭意検討中である。
  3. 7月初頭から8月末までの9週間にわたり、3週間をもって1タームとする実務研修コース(Professional Training Course)を計3回、旧市街保存地区内で開く。対象は建築系・美術系の学生および若手専門家。指導に当たるのは主として設計監理チームと施工業者。主催者はプロヴディフ旧市街管理事務所で、ICOMOS Joint WG が運営の全般に協力する。前回の実務研修コース(06年の夏)は大成功であったと関係者全員が評価しているので、研修生の募集・選考・処遇・等を含め、なるべく前例を尊重する。第5小委からは適任者1名が講師として、前回同様、1週間ほど参加するよう期待されている。
  4. 10月中旬ないし11月中旬頃に、ICOMOS Joint WG とプロヴディフ市との第2回合同現地会議を開催する。重要課題の筆頭はもちろん最終報告書の作成である。当事業の終了を目前に控えて、処理すべき他の重要課題もさぞ多いに違いない。会期は1週間では不足で2週間を要するように思われる。UNESCO/Japan Trust Fund から供与される資金のうち、第5小委メンバーが日本・ブルガリア間の格安航空券を買う予算は延べ15往復分であった。この現地会議に2名が参加すると予算は底をつく。我々は過去数年間、膨大なメールや添付ファイルを取り交わすことによって通信会議を経験してきたので、そのことを敢えて怖れない。最終報告書もメールで編むことになるであろう。

(主査:石井 昭)

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